直島 地中美術館

瀬戸内の穏やかな海に囲まれた人口3500人の直島。年間観光客は16万人、うち1割が外国人。お目当ては島に点在するアートとオリエンタルな自然のようです。フレンチファミリー、韓国からの学生団体、白人男性二人連れ、白人中年カップルなど、さまざま国の人にお目にかかりました。予備知識もなく行ったのですが、色彩を学んでいる私にピッタリのテーマは闇と光のようでした。館内の撮影は禁止で、ここで体に記憶させるしかない。今までにお目にかかったことがないような美術館でした。モネが描いた自然の美しさや作品の理解を深めて欲しいと願ってかご覧のように美しい庭がひろがっていました。この先には、地下空間にアートを内包した地中美術館があります。クロードモネが晩年に描いた、ぼんやりとぼやけた、けれどもモネの睡蓮の中では、比較的力強い色彩が使われた作品があった。絵のある部屋に入るまでに暗がりの廊下から序々に目が慣れてゆくように(暗順応)、わずかな光の中での展示。人工照明はなく、自然光の中で描いていたモネが見ていたであろう自然光。計算された間接照明演出に魅了されてしまいました。安藤忠雄の洗練されたプロデュースに脱帽でした。

また、オープンフィールドという作品は、残像現象という目の生理機能を活用した作品。まるで不眠症の治療を受けているような気分になる。青い光が降り注ぐ中上下奥行きも定かでない空間を歩いて行き、後ろを振り返ると、最初に見た壁の色より、よりあざやかな青の対照色相のゴールデンイエローが見える。はっきりと、残像現象という目の働きが実感できる。久しぶりにわくわくしてしまった。

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