国立パリエコールデコラティブの色彩地理学教授JPランクロ氏から
フランスの色彩教育現場の話しを聞く機会を得た。
所属している日本色彩学会環境色彩研究会の勉強会の一環だった。
フランスはとりわけデザインに対する感性が優れているという印象をもっていた。
幼児の頃から家庭でその感性を培っているにもかかわらず、
あらゆるジャンルの色彩を系統だてて専門におしえる大学レベルの学校があるのです。
しかし、日本では、色彩演習をやっている大学はあるが、
環境色彩一つをとっても系統だてて教えている大学はまだない。
どんな取り組みをしているのか、たいへん興味がありました。
例えば、蝶、貝殻、花々など、実物のものをそばに置いて、
絵の具を使って、色再現の演習をくりかえしするのです。
また、たとえば町に出て、建築のサークルというテーマにそって写真をとって、
プレゼンテーションを作ったり
イギリスの織物のイメージの配色例をいくつも演習したりと
生徒が自由に創造できるようになるための知識、
道具、方法を与えることを心掛けているようでした。
今までは色彩は心を満たすもの、付加価値を与えるものという程度であった。
国際競争の中で現在は、マーケットを意識する産業の開発部門や建築では
色彩は、独立した分野としてとらえられ、たいへん重要なポジションになってきたらしい。
単に美しい調和をもたらす為の色彩の基本を教えるだけではなくて、
視覚、触覚、外観、サイン、シンボルなどすべてをつなぐ
感覚的世界の構成要素として色彩を捉えられるようになるのが目標のようだった。
やはり目標は、日本より、はるかに高いと思った。
さて、11/4〜11/27の間、科学と芸術の出会い-「色」というテーマで
東京デザインセンターにて、ロレアルワークショップが開催されます。
04年金賞に輝いた阪大大学院教授の「森の中の動く宝石」
「5億年の進化とナノテク」「チベット仏画の色彩宇宙」など盛り沢山です。
学生無料、一般¥1,000です。くわしくはロレアルアーツアンドサイエンスファンデーション
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